今月も月1エヴァがやってきた
2026年はエヴァンゲリオンシリーズ生誕30周年です。 これに合わせて各種イベントも盛り沢山、コラボカフェに大規模イベントが企画されていてファンの僕はホクホクです(なおお財布)。
さて、10月末は先月に引き続いて『新世紀エヴァンゲリオン Air/まごころを、君に』が公開されました。 相変わらずこの映画、THE END OF EVANGELION(EOE)を劇場で見るのは初めて! ……正直怖いっすよ、見るの。まぁもう見たんですがね。 もう何回も見て、その度に心の奥深くに突き刺さって、まぁある種の力をもらえた部分もあり、悲しくなる側面もあり……。 いやちょっといつ見たってクソデカ感情をこじらせてしまうのでもう何も言うまい。
そんなわけで今回は、劇場で初めて観た感動の勢いのまま、改めてEoEを見て感じたことなどを書いていきます。
映画館の様子
公開3日目、日曜日の映画館でも結構人が入ってる
見に行ったのは公開3日目の日曜日。 金曜日に大阪出張、その後の土曜日は帰りがけに名古屋で用事があったので参戦が遅れました。
一ヶ月ぶりの映画館の景色は、先月のシト新生のときにも思いましたがかなり人が入っていましたね。 きっと公開初日はもっと入っていたことでしょう。 顔触れをなんとなく見てみると、(あ、古参ファンかな)と思える人よりも僕と同世代の若い人間、なんならこの月1エヴァで初めて見るような事を隣同士の友人で話している人もいました。 一応は完結を迎え、新しい情報には限りがある作品に、これだけの人が集まっているというのはファンとして嬉しい限りです。
映画の本筋とも映画館の様子とも直接は関係ない、少しだけ残念だったことが有りまして……。 悲しいかな、映画館、チネチッタ川崎ではもう特典シールが出切ってしまってました。 それだけ2日間で人が入ったんだなぁとしみじみすると同時に、(でも、アレちゃんと全部揃えたかったのに……)という後悔が押し寄せてなんとも言えない気持ちに。 まぁしかなない。次(ヱヴァ序)は絶対に初日に行きます。
実は一日に2回見た
今回は一日にまとめて2回見たので、映画館の様子の方も書いておきたいと思います。 コトの発端は、初日行けなかったなぁと思いながら土曜日の夜、家路の途中で日曜のチネチッタの上映スケジュールを確認したわけですが、昼の回とレイトショーの2回上映の文字を見つけたことです。 出張帰りの僕はトチ狂っていたので、衝動的に両方のチケットをその場で取ってしまいました。 もはや間違い探しのようなメールが2通立て続けに送られてくるのは面白かったのですが、まぁ翌日(今日)目が覚めて(あれ、今日2回見るんか……?)とちょっと冷や汗をかきました。
昼の回の様子は先程も書きましたので、レイトショーの様子も少しだけ。 夜も更けて終わりの時間もかなり遅いためか流石に人影も少なく、ど真ん中のいい位置を取れたので快適な視聴体験になりました。 ホットドッグとアイスカフェオレを買って、ゴキゲンに着席して他映画の予告を堪能。 結局最後までのびのび空間で楽しむ(楽しいのか……?)ことができました。
なおこのブログの前半部分は昼の部が終わり放心状態がいくらか緩和された後に書いています。 なんか呆然とお昼ご飯を食べたりぐったりしてスマホを眺めていた事は覚えているけれど、いつの間にか2時間ぐらい経っていたので本当にメンタルに来てたみたいです。 え、この後2回目? ……死んじゃうなこりゃ(白目)。 ごめんなさい、明日の仕事はできません。今『まごころを、君に』を見て心が壊れています(土下座)。
人を放心状態にさせる映画の感想は支離滅裂になる(言い訳)
さてここから映画の感想を書き連ねていくわけですが、ちょっと精神状態の快復を待たずに書いているのでまともな文章とは呼べないアレになっていそうです。 閲覧注意!
冒頭の緒方さんのご挨拶にクスリ
館内が暗くなり、「例の今となっては古い配給各社のアイキャッチの羅列がくるぞ……!」と思ったところに緒方さんの上映前挨拶が。 そういえば『シト新生』の時にもありましたね、あっちは鶴巻監督のご挨拶でした。
シンジ役の声優さんとして一体何をお話になるんだろうと身構えていると、彼女からの挨拶は2つの謝罪から始まりました。 「2つ……?」と思って聞いてみると、
- シト新生で途中で終わって、完成版の公開が遅れたこと
- 冒頭のシーン、気をつけて観てね☆
とのこと。 1点目についてはまぁそこはほら、緒方さんっていうより絵ができてなかったからね、しょうがないね。 んで2点目ですけど、なるほど笑? 緒方さんそこに触れますか! 思わずクスリ、昼の回では人も多かったので、クスクスと笑い声が広がっていました。
笑い話の後はまじめなお話として、緒方さんなりの碇シンジへの想いが語られていました。 演じた自分に取ってはもう一つの14歳の自分のよう、それだけ本気だったし旧劇の当時のことは自分のことのように思い出さない(心が蓋をしてしまっていた)と語っていました。 あなたが感じた苦しみは、画面を通じた僕達に深く届いています。 本当にありがとう。
これリアタイしてたら多分俺ほんとに発狂してたな
んで、映画本編の話ですけど、これやっぱリアタイしてたらたぶん僕は長く廃人になっていた可能性がありそうだなと思いました。 だってこれ、「あの難解な本編最終回の本当の姿です!」「これをもってエヴァを完結とします!」ってい触れ込みで放映されたんでしょ? いや〜、それはちょっと……世間は許しちゃくりゃ〜せんよ……()。
禅問答のような最終回を乗り越えて、やっと正しい姿を見れる!! と思ったところに激鬱展開からの本編以上の禅問答が展開されて「気持ち悪い」の一言で終了。 う〜ん、僕はこのエヴァこの旧劇だということをなんとなく理解したうえで(一度完結した作品だから情報が入っちゃう)見ましたけど、当時なんの前情報もなくアレ見せられたらほんと狂っちゃうよ……。
以前以上にエヴァのメッセージ性に気づけたような気がする
エヴァの持つ(エヴァから感じるのほうが正しい?)メッセージ性をこれまでも曖昧ながら捉えてはいたんですが、今回はこれまで以上に、より強烈に心に訴えかけられました。
これまで持っていた旧劇エヴァのイメージは、まさに後半の、シンジくんの心内世界の気付きが大きな部分を占めていました。 要約すると、
この世界に生きていくうえで苦しみが絶えることはない。 他人とは絶対にわかり合うことができないその苦しみを、互いの針で血だらけになることを受け入れて、それでも僕ら互いに手を伸ばそう。
と言ったところでしょうか。 現実を悲観的に捉えつつ、この苦しく不条理に満ち満ちた世界の有り様を受け入れ光を見つけるしかない、という、おそらくは当時の庵野さんの苦しみを反映したような話だと思っていました(あんまり監督に紐づけるのはよろしくはない)。 拒絶を受け入れる……そういうことなのかな。
ただ、今回見て思ったのは、「これまで捉えていたよりももっと前向きな姿勢だぞ?」です。 いや、要約したイメージは対して変わらないんだけど、トーンが全然違うんですよ。 絶望に打ちひしがれて昏く濁った眼ではなく、もっともっと精悍な顔立ちでスッと未来を見据えた澄んだ眼で言われている感じ()。 年を重ねたせいか、視聴回数を重ねたせいか、あるいは映画館という特殊な環境で観たせいか? エヴァから受け取れるメッセージが、随分明るいものに感じられたんです。 鬱アニメなんかじゃないじゃないか(錯乱)エヴァは鬱アニメなんかじゃない、誰がなんというおうとエヴァは鬱アニメじゃないんだ(狂乱)
いやまぁ、前向きというのもやっぱりミサトさんの言葉が重くズシズシ刺さったというところが大きいんだよな。 この人やっぱ裏の主人公だよ。 頼むからミサトさんにフォーカスを当てて誰かエヴァのシナリオをなぞるやつ書いてくれ(懇願)
一番アツかったセリフは、「大人のキスよ」の前のシーン。これがやばい。
今の自分が絶対じゃないわ! 後で間違いに気づき、後悔する……あたしはその繰り返しだった……。 ヌカ喜びと、自己嫌悪を重ねるだけ……でも、そのたびに前に進めた気がする。
あぁ……本当にそう……ミサトさん、マジでそうだよ、そのとおりすぎるよ……。 そうやって人は大人になっていく……。 あぁ〜〜!!!(発狂) 葛城ミサトがあまりに等身大の29歳すぎる……。
ほんでミサトさんのメッセージのアツさに気づいたまま後半に行くとですね、シンジくんの心内世界の描写がまぁ〜前向きに見えてくる。 やっぱりシンジくんの内宇宙で、最後に「……ここにいてもいいの……?」って素直に吐露できたの、ミサトさんのあまりに真っ直ぐな生き方が影響してる節がかなりありそうなんですよね。 あるいはアスカという、強烈な「他人」の存在もそうさせているんでしょうけれど、最後の最後になって彼が「他者の恐怖がある世界」を受け入れる、拒絶を受け入れるという、不合理な現実を受け入れる気持ちになったのは、彼女らのおかげなのかもしれない。
終劇、その先へ
今回この映画を見て……というか、ここ最近、作品を見て感じることがあまりに複雑になってきたような気がしています。 エヴァの持つ、他者との関わり、自己の確立、その他の人間の心内世界と現実に対するメッセージ性について、僕の中でこれまで以上にいろんな軸が絡まり合っていて、感想が全然まとまりません……。 主に大人組の心に近づけたことで、この悩みが発生しているような気がしますが、でもなんだか嬉しい悩みですね。 成長すれば、長い時間を生きれば生きるほど、若さ故の敏感さはなくなるのかもしれないけれど、僕は僕の中の感受性を広く持つことができる。 そういうことに気づけた気がします。
改めてまたエヴァのメッセージについて考えを巡らせて、丁寧にまとめる機会を作ろうと思いつつ、来月(もう今月)のエヴァ序を楽しみにしようと思います。
ではまた。