月1エヴァが開催されるぞ!
2026年はエヴァンゲリオンシリーズ生誕30周年です。 これに合わせて各種イベントも盛り沢山、コラボカフェに大規模イベントが企画されていてファンの僕はホクホクです(なおお財布)。
そして何より劇場での全作品再上映! 僕は2000年生まれ、新劇場版の方は劇場で見ましたけれど、旧劇を映画館の大スクリーンで見る初めての機会になります。 「これを逃す手はない!」というわけでまず第一弾の『シト新生』を見てきました。
もう内容自体は知ってはいますが、とりあえず見てきた感想をば述べておきたいと思います。
DEATH(TRUE)2 & REBIRTH
まずはDeath編(今回の上映はDEATH(TRUE)2らしい)。 まぁ要するにTV本編の内容の総まとめ、ということになりまして、当然のことながら私は何度も見てはいるので「どんな話か」という点でストーリー内容はわかってます。 が! それでもやっぱり度肝を抜かれるのは、突出した映像表現とモンタージュの技術が素晴らしいということでしょう。 時系列をすっ飛ばして現在・過去を行ったり来たり、でも各キャラクターの特徴や背景にちゃんとフォーカスを当てている。 アニメ本編を見てないとわかんないところだらけではありますが、わかる・わからないの理解を置き去りにして映像表現だけで走りきってみせたのはすごいですよね。
まぁ既に見たことがある作品なわけで、基本線での面白さは今更語るべくもないのですが、今回見て改めて思ったことをいくつか書いておこうと思います。
大人組、苦しすぎない?
いやマジで、大人組の苦しみが半端じゃない。 その苦しみに、歳を重ねて年齢が近くなり追いつけるようになったんだなぁ……。 としみじみしつつ、それ以上に「あやっばいこれすんごいこと描いてあるぞ!」という興奮に満たされました。
加持さんが情けなさすぎる&やっぱりかっこいい
とりあえず冒頭から、ミサトさんと加持さんのピロートークのセリフなんだけど、これがまぁ〜〜〜心にクる! なにあれ。 グサグサ刺さったよ、刺さり過ぎだよ。
リョウジ「情欲に溺れている方が人間としてリアルだ、少しは欺けるさ」
ミサト 「ウチの諜報部を? それとも碇司令やリツコ? ……それともあたし?」
リョウジ「いや、自分を——」
ミサト 「他人を、でしょ? ……あなた他人(ひと)のことには興味ないもの。そのクセ寂しがる……ほんとお父さんと同じね」
やばいこれはやばい。 これめっちゃミサトさんに見透かされてる。 めっちゃかっこいいと思ってた加持さん、情けない男すぎるよ。 加持さん的にはこのタイミングで色々やらなきゃいけないこととか、正直眼の前のミサトさん以上に未来のミサトさんへ向けた大事なアレコレを考えていたんだろうと思うんだけど、あまりにもそれを見透かされすぎてます!
あと加持さん情けないポイントは、遺言のところですね。
葛城、俺だ。多分この話を聞いている時は、君に多大な迷惑をかけた後だと思う。 ……すまない、リッちゃんにもすまないと謝っといてくれ。 迷惑ついでに、俺が育てていた花がある。俺の代わりに水をやってくれると嬉しい、場所はシンジくんが知ってる。 葛城……真実は君とともにある。迷わず、進んでくれ。
ここまではかっこいい、いや、なんも大事なこと言わんと勝手に死んでいくので情けないんだけど、カッコつけてるのがわかるし、実際セリフはちゃんとまとめてあるからまだ整ってる。 が!!! 次の台詞よ!!!!
もし、もう一度会えることがあったら……8年前に言えなかった言葉を言うよ。じゃあ。
なにこれ! カッコつけてるんじゃなく、告白前の緊張した中学生みたいな声しやがって! 情けない! 大好き! やばいでしょ、本当にまじで……愛した女に最後に言うことが、「君が好きだった」とか「愛してる」でもなく、ここに来てまだ濁すか! このヘタレ! ……でもそんなところが好きなんだなぁ……。
やっぱり加持さん、いい男すぎるよ。あんなふうになりたい。
ミサトさん、よく考えたらぶっ飛び過ぎてる
ミサトさん歪すぎるんよ! いやそんなところがあまりに人間臭くて本当に好きなんだけどさ。 なんていうか、すごい……多分大人組3人の中で一番子供っぽいんだよなと……。 年齢不相応な幼さと、年齢不相応な成熟さが同居してるのが本当にもうアンバランスすぎてこれまで以上に心に刺さる。
前提としてセカンドインパクトからの生還、その後の廃人期の乗り越えといった壮絶な人生体験があるのは言わずもがな、これまではこの壮絶さがその後の人格にどう影響するかなんて深く考えてはいませんでした。 ただもうね、なんかリツコさんの「ブランクを取り戻すようによく喋ります」のセリフから感じるコミュ障感……。 人との距離感をうまく測れなくて、近づきすぎてしまって、本当ならもっと小さな頃に培っているはずの対人関係のスキルをおとなになり始めてから身につけた人特有の感じ……。 今回のシト新生で改めてモノローグや立ち居振る舞いを見てみると……いや〜歪んでる〜!! でもそこが好き!
いくら任務のためという名目がついているとはいえ、27歳で14歳の少年少女を自分ちで養う、というか生活をともにするの、ぶっ飛びすぎてます。 僕がいま25だから、ミラーリングすると、今から2年後に血縁でもない仕事の関係で知り合った14歳の少女と一緒に生活するってことになりますよね? ん〜、滲み出る背徳のカホリ……。
まぁそれ以外にも。
眼の前の不憫な少年を見捨てられない、自分と同じ気配のする人間を放っておけないという年長者としての母性。 思い通りにならない反抗期の少年・少女に対するいらだちを隠せない幼さ。 とはいえ与えられた仕事に関しては完璧にこなす大人としての側面。 愛した男と体を重ねて心が満たされて、でもちょっとだけ素直になれないような複雑な女としての振る舞い。
あ〜この多面性、本当にすごい。 え、マジで「リアル」なんだよなぁ。 年下から見上げた憧れの女性、気づいたら同じ年代として横にいる「リアルな大人」何だよな。 幼い頃からの呪縛とかを自力で断ち切れるようになる、でもまだ子供っぽさがあって、とはいえ社会人としてそろそろ成熟を見せ始めるという、本当にリアルな20代後半の仕草だらけ過ぎてもう……(語彙力)
リツコさん、女すぎるでしょ……
リツコさんもリツコさんでだいぶなんというかこう……いや、まぁ普通の大人か……? 否、普通ではない。 いや、少なくとも物語前半の彼女を改めて思い起こすと、本当によくいる大人の一人、仕事のできるいい女って感じではあるか。
実を言うとこれまでのリツコさんに対する感覚って良くも悪くも全く無くて、申し訳ないけどチルドレンたちをメインに見てたので舞台装置の人としてしかみていませんでした。 見てなかったんですが、今回リツコさんのあの、愛憎入り交じったというか、なんというか、そういう側面に気づいてしまってマジでヤバイ。
まじでこの人女すぎるッ! まじで悪い意味じゃなく、「女としての自分」に一番忠実な人物すぎる! ……いや、忠実な女になっていく過程を見せつけられてるんだわなぁ……。 一番決定的なのは、ダミープラグの素を壊すシーンですよね。
リツコ「だから壊すの。……憎いから」
ミサト「……ッ! あんた、何やってんのかわかってんの!?」
リツコ「……えぇ、わかっているわ……〝破壊〟よ。人じゃないもの。人の形をしたものなのよ」
これ、シト新生だとここで止まってるんですけど、この先が苦しくてぇ…… ナオコさん(お母さん)とかゲンドウとか諸々の苦しみを吐き出した後に、
リツコ「私を殺したいのならそうして。……いえ、そうしてくれると嬉しい」
ミサト「……それこそ馬鹿よ……あなたは」
ミサト(エヴァに取り憑かれた人の悲劇……。私も、同じか)
の会話があるんですけど、この泣きじゃくるリツコさんとその後ろ姿に自分を重ねて、親友に掛ける言葉もないミサトさんという構図、本当にえげつなさ過ぎて……。
リツコさんのこの、女として勝てない、というかないがしろにされた苦しみを、ミサトさんは理解できないじゃないですか。 だって自分は加持リョウジという男に出会って、悲しい最後にはなったけど愛し合ったんだから。 ミサトさんもその事を理解しているから、慰めることも発破かけることもできずにいて……。
このタイミングでリツコさんは完全に壊れちゃったんですよねきっと。 親友の思いを多分なんとなくわかっているし、じゃあ掛けて欲しい言葉を掛けてくれる人はいるのかと言えばその役割の男は自分を捨ててしまった。 NERVで技術系の要職についているから、この先何が起こるのかなんとなくわかっているから未来に希望なんてないし……
もう書いてて泣きそうになってきちゃった。 そんでもってこの後で自分を捨てた男を裏切ってうんぬんのところでも思い通りにいかないんでしょ? 物語中も苦しいのに、物語終了後の空想世界でもこの人救える立場の人間がマジで誰もいないのやばすぎでしょ……。 ほんと幸せになって欲しいキャラNo.3に躍り出ました。(1、 2はさすがにアスカとシンジではある)
REBIRTH
そんで続劇の後にREBIRTHが続くわけではあるんですが、やっぱこの終わり方ずるいよ! ご存知の通り、アスカの覚醒とエヴァシリーズの降下、からの魂のルフランで終わるわけですが……。 これはさすがに色々期待しちゃうって、この後にAir/まごころを君にを見せられたら死んじゃう、寒暖差で風邪引きますよ。
だって前半はもう地獄絵図、
- カヲルくんを殺しちゃってメンタルボロボロのシンジ君の状態やばい
- アスカはもうだめ状態
- 戦自容赦なさすぎ
- リツコさん覚悟ガンギマリ
- ミサトさん戦闘モード
- ゲンドウ自分勝手
……なにこれ、人の心無いんか? 改めて見るとほんとやばい。
もうこんな状況から英雄的にアスカが復活したらもうその後の展開も穏やかなハッピーエンドになるって思いますやん! もういや! Air見たくない!
……ぜったいみにいく!
来月が楽しみだね
はい。グダグダ感想を書ききった感想ですが、やっぱエヴァって作品はすごいですね。 俺もう定期的にこれを摂取しているだけで生きていける可能性があるかもしれない。 そんぐらい、やっぱ劇薬だよこれ。
さて、なにはともあれ来月は僕らのトラウマがやってくるわけなので、皆さんじっくりと心の準備をして待ちましょう。
それではばいちゃ。